Conspiracy of Fools: A True Story - 洋書 - アマゾン(Amazon)ジャパンのあまっちゃ!
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カスタマーレビュー ![]()
Thou shall not fly too close to the sun
(2006-12-09)
エンロン倒産から七年が経ちますか。丁度サブプライム問題が世を賑わしていますが、これが従来の銀行システム外で起こっている取り付け騒ぎみたいなものだとしたら、エンロンはエネルギー取引業界における取り付け騒ぎだった、ということで無理やり「タイムリー」ということにしておきます。どちらも、上手い具合に回っていた信用サイクルがある日ガタガタと崩壊してしまう、という展開です。大きな違いは、米国のメガバンクが金融立国の威信にかけて保護される対象であるのに対して、エンロンはたかがエネルギー卸売り会社なのであっさり見捨てられてしまったと。
私がエンロンに興味を持ったのは、CNNで見た政府公聴会での元エンロンCEOジェフ・スキリング氏の様子に同情したせいでした。関連本をいろいろ読みましたが、一番目配りが良いのは『The smartest guys in the room』で、同名のドキュメンタリーの元ネタとしても名を馳せています。本書は形式がいささか特異で、まるきり小説風に書かれています。「その場にいたのか?」的な危うさが最初は気になりはするものの、気がつけば800頁弱の本を時間を忘れて読み耽ってしまいました。まさに大河ドラマです。野心と希望と時代の熱気、信念と傲慢、夢と虚妄、喜びと悲しみ、人間なるものの悲劇性、全てが詰まっています。会計スキャンダルが持ち上がってから、CPもロールオーバー出来ない、「We have no cash!!」という絶叫が響き渡るまでの数章などまさに手に汗握る、心臓鷲掴みの迫力でした。「信用」という無形物がいかに貴重で、いかに危うく、それを弄び続ける者にいかに牙を向くか。
ちなみに、著者さんによると、描かれる逸話の全てが関係者の証言に基づく再構築とのことです。大きなネタ元がいたとのことですが、そうなると、その人はジェフ・スキリング氏ということになってしまうんですね。でなかったら、エンロン危機を聞きつけ、ホテルの一室に閉じこもって「My baby is dying」と号泣するスキリング氏の姿、「誰の証言から起こした話ですか?」と。さて、真相はいかに。(2008年8月9日執筆レビューです)
